いよいよ”インディ・ジョーンズ”シリーズ最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の公開が近づいてきた(6月30日全世界同時公開)。
ハリソン・フォードが演じるインディはこれが最後。
第1作からずっと楽しませてくれたインディアナ・ジョーンズの最後となる冒険を観るのがたまらなく待ち遠しい。
予告編のBGMにはローリング・ストーンズの「悪魔を憐れむ歌」が用いらており、ストーンズ・フリークの僕にはさらなるワクワク気分というかゾクゾク感をたぎらせてくれる。
これまでのシリーズ過去4作、監督を務めていたのはスティーヴン・スピルバーグ。
しかしハリソン・フォード最後のインディとなる最新作、彼は製作総指揮にまわった。
代わって監督を務めることになったのは、ジェームズ・マンゴールド。
スピルバーグは大好きな監督だが、実はジェームズ・マンゴールドもとても好きな監督なので、この監督登用のニュースを聞いたときは期待に胸が膨らんだ。
彼の監督作の中で個人的に特に好きなものを挙げると、
『アイデンティティー』2003年
『ウォーク・ザ・ライン/君に続く道』2005年
『3時10分、決断のとき』2007年
『フォードvsフェラーリ』2019年
など。
どの作品もかなりの名作だと思っている。
共通する点は、俳優がその魅力を存分に発揮しているところ。
そう書くと俳優の能力による作品と思われるかもしれないが、演者の魅力をいかに引き出すかというのは監督の腕の見せ所のひとつ、それもとても大きなひとつだと思う。
琴線に触れる描き方も凄く好きだ。
あと物語の組み立ても、個人的にとても好みである。
というわけでそんな彼の監督作の中から、今日はクリスチャン・ベールとラッセル・クロウ共演の西部劇『3時10分、決断のとき』を採りあげたい。
これは1957年に公開された映画『決断の3時10分』(原題はどちらも同じ『3:10 to Yuma』)のリメイク。
ラッセル・クロウ演じるは、名高い強盗団のリーダーで早打ちの名手ベン・ウェイド。
片やクリスチャン・ベール演ずるは、南北戦争で負傷し足を不自由にしている牧場主のダン・エヴァンス。
ダンは、彼を追い出したい町の実力者から嫌がらせを受け、貧困状態となり家族を養うのに苦労している。
そこで、捕らえられたウェイドをユマ行き3時10分発の列車に乗せるための護送を引き受ける。
金のため、そして息子に父親である自らの存在の意味を伝えるため。
クリスチャン・ベールとラッセルクロウの演技は、息が詰まるほどの緊張感を漂わせる。
ラッセル・クロウは、ウェイドの冷酷で非道な部分と教養や彼なりのヒューマニズムという相反するかのような両面を、ヒリヒリと表現する。
クリスチャン・ベールは、土まみれになりながらも”切望”するものを掴もうと現実に抗うダンの苦悩と誠実さを映しだす。
彼は『荒野の誓い』という西部劇でも素晴らしい演技を見せてくれた。
これもとても良い作品だった。
西部劇結構好きなんです。
アメリカ的なものが好きなので、そらそうだよなと思う。
良くも悪くも、古いタイプのアメリカン・スピリットのようなもの、そして広い大地に魅かれる。
こういうもの言いの際にいつも付け加えているが、僕は英語が理解できず、また一度たりともアメリカの土を踏んだことはない。
つまりアメリカのことなど、何一つわかっていない。
映画の中でしか知らないアメリカ。
そんなものに(つまり作り物のアメリカ)、何十年も惹かれ続けている。
パスポートはもう何年も切れたままだ。
深みのある人間ドラマ。
西部劇はあんまり…
という人にも、是非とも観ていただきたい、かなり心に沁みる作品です。