映画・音楽ファンがリラックスして楽しめる心斎橋・南船場のバー
Almost Famous のブログ。

ベスト of 戦争映画『地獄の黙示録』『この世界の片隅に』

映画

映画のジャンルには”戦争映画”というカテゴリがある。
その中にはいくつもの名作といわれるものがあり、僕もそれらの多くを観てきた。
近年だと『ジョジョ・ラビット』が特に胸に残っている。
コメディタッチな部分を取り入れたポップな作品であるが、とても素晴らしい作品だ。
最後のシーンとかたまらん好き。

2022年版のNetflixで配信された『西部戦線異状なし』も響いた。
巧妙に戦争に駆り出され、打つひしがれる若者たち。
戦場の戦士たちの現実に無頓着な指揮官。

僕がまだ小学生だった頃、今は亡き父が言った、
「戦争ではどっちが強いか分かるけど、どっちが正しいかは分からん」
と。
この言葉はずっと心に残っている。

そんな僕は、戦争など起こすべきでないと強く思っている。
そしてまた、優れた戦争映画の必須条件は、”戦争なんて嫌だ!”と思えることだと考えている。
なので基本的にはエンターテイメント性に優れたハリウッド映画が好きな僕であるが、こと戦争映画に関してはストーリーとしての面白さや、アクション的な迫力に長けているだけでは、あまり好きになれない。
とはいえそもそも映画には、実におぞましいと思えたり、例えば ”これ人としてどうよ?” なんて思いたくなるような内容でも面白いものもある。
僕も立場的には、そういうのも好きな側にいる。
だが戦争映画だけはちょっと違う方向から観てしまう。
もちろんエンターテイメント性が皆無だと、伝えたいことも伝わらないので、その部分との調和はとても大事だと思う。
そこが監督の腕の見せ所だとも思っている。
このバランス具合の好き嫌いは、人それぞれ好みが異なるだろう。
例えば『ディア・ハンター』。
僕にはトゥー・マッチ過ぎてしんどくなってくる。
でもあれぐらいが丁度いい人もいる。
名作としての高い人気はそれを示している。
これはさじ加減ではなく、どこにどのように反応するかという部分での各個人による違いだと思う。

何故今回こんな内容のものを書いてるかというと、
ウクライナとロシアの戦争は終わる気配がなく、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配する武装イスラム組織ハマスとの交戦も収束の予感がないから。
政治的な具体的意見は言えないけど、多くの人々が死傷するという事実は起こるべきではないはずだ。

長い目で観た時、戦争映画というエンターテイメントが戦争そのものに与える影響というのは少なからずあると思っている。
映画や音楽や書物などの表現が世界を変えることはないかもしれないけど、それらから影響を受けた人が世界に変化を与えることは、バタフライ・エフェクト以上にはあるはずだ。

なんて言うと、夢見がちだと思われたりすることもあるけど。

僕が戦争映画の中で最も好きな作品は、フランシス・フォード・コッポラ監督による『地獄の黙示録』。
これは僕は中学生の時に話題になっていて、当時劇場で観たのが最初。
その後何度か観たが、今も変わらず名作だと思う。
戦争の狂気を高いエンターテイメント性を携え描いている。

完全版など異なるバージョンがいくつかあるけど、個人的にはフランス人入植者たちとのエピソードを詳しく描いたものはあまり好みではない。
話は深まるけど、シンプルさも大事だと思うから。


狂気とエンターテイメントとメッセージが見事に調和しているシーン。

ベトナム戦争以降も多くの紛争を繰り返すアメリカって、どうなんだろうとは思ってる。
上述した、
長い目で観た時、戦争映画というエンターテイメントが戦争そのものに与える影響というのは少なからずあると思っている。~
の件と矛盾するようだが、優れた戦争映画があってもこの有り様だということだ。

もうひとつ、僕が戦争映画の中で最も好きな作品がある。
それは比較的最近の日本のアニメ映画
『この世界の片隅に』。
監督は片渕須直。

これは戦場の物語ではなく、一般市民による日常の中での戦争との関りを描いたもの。
広島市から呉市に嫁いだ18歳のすずが主人公。
戦況が悪くなっていき暮らしが困難を極めていく中、素直さとポジティヴさで真直ぐ生きようとするすず。
しかし戦争が彼女の人生を翻弄していく。

泣いてしまった。
号泣するというタイプの映画ではなく、じわじわと涙が滲んでくる。
そういう映画。
大傑作だと思う。

すずの声を担当するのん(能年 玲奈)が、もうピッタリ過ぎる。
彼女の存在はとても大きい。

またこの作品に、約40分の新規場面を付け足した別バージョン作品『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』もある。
これまでの経験上、ロングヴァージョンはあまり好みでないのだが、これは評判が良いので観るつもり。
でも、がっかりしたら嫌なのでまだ観る勇気がない。
それぐらい 『この世界の片隅に』という映画を大事にしている。

戦争がなくならないのは、軍需産業のため
なんて意見もあるが、
ありえなくもない話と思っている。

戦争反対!

Follow me!

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました