まもなく村上春樹の新刊が発表される。
6年ぶりとなる長編小説。
タイトルは『街とその不確かな壁』。
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個人的にとても楽しみにしている。
そこでと言っては何だが、今回は昨年のアカデミー賞で国際長編映画賞を受賞し、また受賞は逃したものの作品賞・監督賞・脚色賞にノミネートされるなど海外でも大きな評価を得た、村上春樹原作の映画『ドライブ・マイ・カー』について綴りたいと思います。
この映画は上映時間が約3時間(正確には2時間59分)ということで、トイレの近い僕は劇場を敬遠し、最初レンタルして観た。
昨今の映画長尺化問題は、僕のようなタイプの人には劇場離れの要因になるのではないかと、思っている。
どうだろうか?
本題とずれてしまった、スイマセン。
さて映画そのものについての話。
主人公は西島秀俊が演じる、俳優の家福悠介。
愛車である赤いサーブ900ターボを大事にしている。
彼は決まってその愛車の中で、妻である脚本家の音(霧島れいか)の声で吹き込んだ台本のカセットテープを流し、それに応対し自分のセリフを発したりして物語を深く自分の中に取り入れる。
そんなある日、妻が急死する。
2年後家福は、広島で行われる演劇祭に演出家として招聘された。
自らの運転でサーブに乗り広島まで訪れる家福。
しかし主催者側から事故の可能性を避けるため、今後運転はこちらで用意する専属のドライバーに任せてくれと言われる。
紹介されたドライバーは、渡利みさき(三浦透子)という若い女性であった。
家福は最初その申し出を断るが、主催者側からの強い勧めからテスト的に彼女のドライブで移動することに。
彼女の優れた運転能力や無口な感じに好感を持った家福は、ドライバーを彼女に任せることに納得した。
そうして家福は、彼女の運転により毎日宿舎から仕事場に通うようになる。
最初の仕事は、演目の『ワーニャ叔父さん』の配役を決めること。
いつものように家福は、車の中で『ワーニャ叔父さん』のカセットテープを流す。
配役を決めるためのオーディションには、妻の音に以前紹介されたことのある俳優高槻(岡田将生)も現れた。
高槻は音への特別な想いを持っていた。
長時間作品なので少し身構えたが、長さを感じさせず滑らかに物語は流れていく。
一瞬たりとも、だるく感じたり長さを感じたりすることはなかった。
原作とは違う部分もあるが、村上春樹的な世界が展開されている作品。
なので、長さを感じなかったのは村上春樹ファンの僕だからだったのかも。
いやでもこれだけ多くの高評価を得ているのだ、そういう事とは無関係に、みんな時間の長さを感じなかったのだろう。
濱口竜介監督の力量が成せる技だと思う。
音楽も良かった。
好みが分かれる作品ではあると思うけど、僕はムッチャ良かった!
凄く好きな映画!!
ただネガティヴ思考が基本な僕は、少なくとも主人公の家福は救われていないんじゃないかと考えている。
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最後の場面に出てくるあの犬は、あの時の犬なのかな?
ということはどういう事なんだ??
でも実は違う犬か???
犬の見分けはつかないが、あそこの解釈は人それぞれなんだろうな。
あの場面のみさきの表情が好きだ。