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『アルプススタンドのはしの方』 かなりオススメの青春映画です!

映画

今回は、今年の東京国際映画祭で上映され、再び話題になっている? なっていればよいな、と思う大好きな映画『アルプススタンドのはしの方』について。

この映画は、兵庫県立東播磨高等学校演劇部の顧問教諭を務めた籔博晶による高校演劇の戯曲が原作。
同部により2016年に初演され、翌2017年の第63回全国高等学校演劇大会では最優秀賞を受賞している。

高校野球夏の甲子園アルプススタンドには、グラウンドで戦う自校野球部の応援に訪れた生徒たち。
その集団から少し離れたアルプススタンドのはしの方には、元野球部の藤野、微妙な関係の演劇部の二人安田と田宮、成績優秀ながら前回のテストで初めて学年1位の座から落ちた宮下ら4人の姿があった。

”高校という世界”の真ん中で生きているタイプではなく、はしの方にいる生徒たちにスポットを当てた青春映画。
そう、同じ高校生でも、誰もが真ん中にいるというわけではない。
そんな彼らの心情を、ユーモアも交えながらとても上手に描いた作品。
リアルな青春の空気を感じた。

はしの方にいる4人は、途中から真ん中の方、メインストリームの方に近づいていく展開を見せる。
この点は、ちょっと気になった。
結局真ん中が良いという話なのか?
そういう趣旨でないことは分かる。
ただ個人的には、もう少しはしの方での生き様みたいなものを描き切って欲しかった。
そのように感じるのは、基本的に僕がひねくれた人間だからということなんだが。
もちろん、そもそもこの映画が描こうとしてるのは、その辺りのことではない。

真ん中の象徴として出てくる吹奏楽部の久住智香が、メインストリームにいることも大変なんだと言い放つシーンがある。
ここの一言は、作品に大きな広がりを生み出したと思う。

はしの方にいる人にも、いくつかのタイプがある。
本質的にはしの方にいるタイプの人、はしが心地よい人。
本質的にはメインストリームにいるタイプだが、流れの中で端にいることになってしまった人。
メインストリームにいたいのだが、色んな事情からはしにいることになってしまってる人。
などなど多種多様。
高校時代のクラスを思い出してみよう。
大人になって冷静に振り返れば、いろんな人たちがいた。

素敵な青春映画。
かなりオススメ!
とても好きな作品です!!


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4人の卒業後を描いた、エピローグ部分は原作にない。
でもこの部分、凄く良い。
お見事です!!

なお舞台は甲子園球場という設定になっているが、映画では他球場が使われている。
撮影許可が下りなかったとのこと。
なんでなんだ阪神甲子園球場!?
この部分だけは、とても残念だった。

オリジナルである演劇版はこちら↓

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