僕は基本的には洋画を観る機会の方が多い。
でも邦画が嫌いかというと、全くそうではありません。
日本社会の中で日本語で思考し日々暮らしているので、洋画では描き切れないものを邦画から感じることはよくあります。
というわけで、あまり数は観てないですが、あえて僕個人の大好きな邦画ベストテンを紹介させてもらいたいと思います。
僕個人の全くの独断と偏見でのランキングですのであしからず。
なお黒澤明監督作は除外しました。
殿堂入り的な感じです。
ちなみに特に好きな黒澤作品は『七人の侍』『隠し砦の三悪人』。
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またランキングは、実写映画のみからのセレクションとしました。
第1位
『あの夏、いちばん静かな海。』
1991年作品
監督:北野武
出演:真木蔵人・大島弘子など
監督第三作目となる今作は、たけしが出演していたバイオレンス色の強いそれまでの2作とは大きく異なった作品となっている。
真木蔵人の演技がとても良い。
優しい映画。
登場人物が良い人だらけ。
他のたけし映画とはその点でも一線を画す作品になっている。
たけしのフィルモグラフィで考えてみると、激しいロックアルバムの中に一曲だけ収められた美しいバラードのような作品といえるのではないだろうか。
とは言っても、主人公たちとの距離を感じさせる、前2作とは違う3人称的な捉え方で描かれる作品。
そこには厳しさ冷たさ凶暴さが、隠し味のように秘められている。
結局人生とは、なんて考えさせられてしまうのだ。
人生が持つ残酷さを、そこはかとなく感じさせる。
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第2位
『ソナチネ』
1993年作品
監督:北野武
出演:ビートたけし・国舞亜矢・大杉漣・寺島進・勝村政信など
監督4作目となる今作は、前作『あの夏、いちばん静かな海。』とは打って変って、1・2作目のようなバイオレンス色の強い内容。
バイオレンス色の強い、ヤクザを描いた作品だが、相変わらずたけしの映画のヤクザはカッコよくない。
そこが好き。
たけし演じる村川が
「あんまり死ぬの怖がるとな、死にたくなっちゃうんだよ」
というシーンがある。
この言葉、なんとなく分かる。
たけしの死生観を強く感じさせる、完成度の高い映画。
『ソナチネ』と『あの夏、いちばん静かな海。』はどちらも同じくらい好き。
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第3位
『フラガール』
2006年作品
監督:李相日
出演:松雪泰子・豊川悦司・蒼井優・徳永えり・山崎静代・岸部一徳・冨司純子など。
これは泣いた!
炭鉱の町だった福島県いわき市が、探鉱事業の規模縮小に伴い、町おこしとして立ち上げた常磐ハワイアンセンター。
その誕生から成功までを描く、実話を基にした物語。
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第4位
『ある男』
2022年作品
監督:石川慶
出演:妻夫木聡・安藤サクラ・窪田正孝など
平野啓一郎の同名小説を原作とした映画。
事故で亡くなった夫(窪田正孝)が、実は知ってたはずの男ではなかった。
疎遠になっていた夫の兄が遺影をみて弟ではないと言い出したのだ。
妻の里枝(安藤サクラ)は、夫だった男が一体誰だったのかを弁護士に依頼し調査することにする。
弁護士の城戸を演じるのは妻夫木聡。
ミステリアスな展開を見せる、社会的人間ドラマ。
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第5位
『万引き家族』
2018年作品
監督:是枝裕和
出演:リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林など
第71回カンヌ国際映画祭パルム・ドール(最高賞)受賞作。
万引きなどで生活を支えている家族。
しかしその家族は、実際には血縁関係のない疑似家族であった。
社会の闇の部分を採りあげた作品。
観た後に爽快感のようなものは一切ない。
でも素晴らしい映画。
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第6位
『シン・ゴジラ』
2016年作品
総監督・脚本:庵野秀明
出演:長谷川博己・竹野内豊・石原さとみ・高良健吾・市川実日子・高橋一生・大杉漣など。
僕には、ゴジラをモチーフにしたエヴァンゲリオンに思えた。
ゴジラは東日本大震災のメタファーか?
這いつくばるゴジラが気持ち悪かった。
しかし津波を感じさせるために、あのゴジラは必要不可欠だったのだろう。
ゴジラが火を噴くシーンは、まったくもって巨神兵。
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第7位
『CURE』
1997年作品
監督:黒沢清
出演:役所広司・萩原聖人など
怖かった。
ジャンル的には、サイコ・ホラーやサイコ・サスペンス。
CURE(キュアー)とは治療や癒しなどの意味。
みんな間宮(萩原聖人)によって治療(癒し)されたということか?
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第8位
『台風クラブ』
1985年作品
監督:相米慎二
出演:三上祐一・紅林茂・松永敏行・工藤夕貴・大西結花・三浦友和など
台風襲来とともに、浮かび上がってくる思春期の少年少女が持つ危うく不安定な心を描いた作品。
それまで2枚目の正統派俳優だった三浦友和が、だらしなくカッコ悪い大人を演じていたことが当時衝撃的だった。
がしかし、後で知ったのだが前年の吉永小百合主演の『天国の駅 HEAVEN STATION』で既に、どうしようもない男の役を演じてたらしい。
それがあっての、これだったのかな。
工藤夕貴はもちろん素晴らしいのだが、僕個人的には当時、脇役なのだが三浦友和の方が印象的だった。
長すぎる行間(スピード感がないとか、セリフが少ないとかという意味でなく、説明的でないということ)がまた魅力でもある一本。
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第9位
『クライマーズ・ハイ』
2008年作品
監督:原田眞人。
出演:堤真一・堺雅人・尾野真千子・遠藤憲一・滝藤賢一・髙嶋政宏・山﨑努など
1985年に起こった日航機墜落事故を報道する地方新聞社の記者たちを描いた物語。
主人公の記者悠木を演じるのは堤真一。
悠木と折り合いの悪い販売局長が彼に向って、「白紙の新聞作ってみろ、それでもちゃんと売ってやるから」というようなことを言うシーンが実は好き。
また悠木に広告を勝手に外されて怒る広告部長の気持ちが、元営業マンの僕にはよく分かる。
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第10位
『蜜蜂と遠雷』
2019年作品
監督:石川慶
出演:松岡茉優・松坂桃李・森崎ウィン・鈴鹿央士など
松岡茉優演じる主人公の栄伝亜夜は、天才少女ピアニストとして将来を有望視されていたが、13歳の時に母が死亡。
その後ピアノの世界から姿を消す。
だが20歳になった彼女は、若手の登竜門として世界的な注目を集める芳ヶ江国際ピアノコンクールに出場する。
そんな彼女に加え、亜夜と幼いころ一緒にピアノを習っていたマサル19歳、独創的なプレイで周りを驚かせる風間塵16歳、楽器店勤務で妻子のいる高島明石28歳などがしのぎを削るコンクールの様子をそれぞれのバックグラウンドなど群像劇的に描きながら物語は進んでいく。
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次点 #1
『私をスキーに連れてって』
1987年作品
原作:ホイチョイ・プロダクション
監督:馬場康夫(ホイチョイ・プロダクション)
出演:原田知世・三上博史・原田貴和子・沖田浩之・高橋ひとみ・布施博・田中邦衛など
バブル期ノリの楽しさを描いた、素敵なラブコメ風エンターテイメント作。
それまでの邦画にあまり感じられなかった、ポップな時代感にエポック・メイキングなものを感じた。
主題歌・挿入歌は松任谷由実。
ユーミンの音楽が、この映画の魅力を倍増させていると思う。
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次点 #2
『金融腐蝕列島〔呪縛〕』
1999年作品
監督:原田眞人
出演:役所広司・椎名桔平・若村麻由美・遠藤憲一・根津甚八・仲代達矢など
総会屋への不正融資疑惑が発覚した都市銀行。
この状況に上層部は危機感を持って銀行の改善に向かうどころか逆の行動をとろうとする。
そこで主人公らが銀行改革へと立ち上がるシリアスな社会派ドラマ。
闇社会とのつながりを断ち切ろうと戦う姿はスリリングだ。
以上10+2作品、どれも傑作だと思います。
未見の作品ありましたら皆様是非!
その他特に好きな作品は、
『櫻の園』
『39 刑法第三十九条』
『黒い家』
『転校生』
『リンダ リンダ リンダ』
『十三人の刺客』
『散歩する侵略者』
『桐島、部活やめるってよ』
『モテキ』
『告白』
『沈まぬ太陽』
『アフタースクール』
『笑いの大学』
『カメラを止めるな!』
『愛にイナズマ』
『ドライブ・マイ・カー』
『アルプススタンドのはしの方』
『侍タイムスリッパー』
『怪物』
『ふつうの子ども』
『爆弾』
『遠い山なみの光』
等です(順不同)。
これらのランキングはこのブログを書いてる時点でのもので、明日になれば微妙に変わってる可能性ありです。
どの作品も同じくらい大好きなので、ランキング付けはその時の自分の気持ちに左右された結果だということであります。
基本的には洋画を観る機会の方が多いので、まだ観たことない名作の数々があるはず。
そういう作品を色々と観ていきたいなと思います。
最後までお付き合いありがとうございました!
