自分の好きな映画が、ほとんどの人に知られてない時、すごく残念な気分になる。
好みは当然人それぞれだから、観たけど良いとは思えなかった、というのは問題ない。
そんなの当たり前。
だが、あんなに良い作品なのに、観てないどころかその存在さえも知られてないなんてと、
ガッカリ感に身体中を覆われてしまうことがある。
といっても限られた時間を、全て映画鑑賞に費やすわけにもいかない、映画評論家じゃないんだから。
映画ファンなら多くの人が観ている作品でも、僕が観たことないものはいっぱいある。
そんなものだと思う。
とはいえ、コレは是非!
と思えたものはつい勧めたくなるのが性というもの。
というわけで、
今日はそんな映画のひとつをご紹介。
その映画は、
『ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから』
というNetflixオリジナル作品。
アリス・ウー監督による2020年作。
これムッチャ良かった。
個人的には凄いツボにハマった映画。
大好きだ。
かなりの名作だと思う!
映画は冒頭、
プラトンの『饗宴』から引用した話を紹介する。
人間はもともと2体を持っていて幸せだったが、神によって半分に割かれれてしまった。
それ以来、人間は失った片割れを探し求め、さまよっている。
この冒頭を観て、僕がまだ大学生だった頃に当時お付き合いしていた恋人からプレゼントされた絵本を思い出した。
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パックマンみたいなぼくが、欠けた自分の片割れを探す旅に出る物語。
『饗宴』とは目的地は違うと思うが、即座にこの絵本のことを思い出してしまった。
映画『ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから』の主人公は、アメリカの田舎町で英語が堪能でないため希望した仕事に就けない父と暮らしている中国移民のエリー(リーア・ルイス)。
頭脳明晰で文才に優れたエリーは、同級生たちからレポートの代筆を請け負いお金を稼いでいた。
ある日エリーはポール(ダニエル・ディマー)からラブレターの代筆を頼まれる。
文才もなく、アメフト部に所属していてもイマイチさえないポールが恋したのは、サークルカーストの頂点にいる人気者アスター。
確かにアレクシス・レミール演じるアスターは可愛い。
ポールでなくとも惚れる人が多数出現するのは理解できる。
優秀なエリーは、教師から名門大学への進学を勧められているものの決断することが出来ない。
家族が営むダイナーを手伝っているポールは、自分の考案したタコス・ソーセージで勝負したいと考えている。
アスターは恵まれた立ち位置にいるが、何かが欠けていることを感じている。
3人とも、自分自身を、欠けている何かを、未来を探している。
青春の物語である。
当たり前のように、青春の中には様々なものが複合的に存在している。
全ての人に共通なものから、個人的な事柄まで。
凄く良い映画だった。
細かく様々な想いを散りばめた場面の数々。
それはどれも押しつけがましいような表現はなく、だがしっかりと伝えたい事を示している。
Netflix会員の方には、是非とも観てほしい大推薦の作品。
エリーやアスターが理解者と出会えたと感じるところ。
エリーとポールが徐々に距離を縮めていき、お互いがお互いから学びあう様子。
ポールの走ってるところ、などの場面が特に好き。
いや~、とっても良かった。
暖かく、そしてポジティヴな気持ちになれました。
この映画を観て、”エモジ”って英語として通用するんだということを知った。
それとヤクルトもアメリカで人気なんだ。
アメリカ人には小さすぎるように思えるので、意外だった。
もしかして、アメリカだと大きいサイズもあるのかな?
青春映画の傑作のひとつだと思います!!