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Netflix映画『大洪水』

映画

『梨泰院クラス』のキム・ダミと『イカゲーム』の パク・ヘスが出演ということで(どちらも観たことないですが)、日本でも視聴ランキング1位になった韓国映画『大洪水』を観た。
しかしこれ1位になってるものの、Xなどでは賛否が分かれており、どちらかと言えば否定的なものの方が目につく。
僕は凄い良かったんだが。
好きな要素がいっぱい詰まってる映画。
あくまでも僕にとってはだけど。
というわけで、もう一度観てみた。
やっぱりムッチャ良い。
名作だと思う!

ということで、ネタバレも入れながらこの映画について感じたこと思うことを書いていきます。

突然の大洪水に見舞われた人々を描くディザスター映画を思わせる前半から、一気に別ジャンルのものへと展開する作品。
そこに違和感を覚えた人も多いようだ。
確かに僕も最初は『ディープ・インパクト』を即座にイメージした。

だが実は『マトリックス』や『ミッション:8ミニッツ』的な作品へと物語は流れていく。
また鈴木光司の小説『ループ』(『リング』『らせん』『ループ』と続く3部作の最終刊)のイメージもすぐに脳裏を巡った。
小説『ループ』文庫(amazon)

キム・ダミが演じる主人公アンナは、AIに人間の感情を組み込むための研究をしている。
それを完成させる最後のピースとして、いわゆる”母性”的なもの(愛や自己犠牲・受容など含む)の取得を目指す。
経験から獲得するという手法を取って。


実際の人間でも、こういうものは生まれながらのものと言うより、獲得するもの。
これがこの作品の大きなテーマ。
Tシャツの数字はその歴史だ。

ゆえに、否定的な意見の中でよく見られる子どもが腹立たしいというのは感覚として僕も最初思ったが、映画のテーマからこの設定は必須であった。
また子役の彼(クォン・ウンソン)の演技凄く上手いと思う。

現実にこのような子どもは普通によくいる。
そもそも子どもは身勝手で気まぐれで時に迷惑な生き物。
だが思い通りにいかない存在を愛する気持ちは、時間をかけて獲得するものなんだということをこの映画は語る。
もちろん個人が持つ才覚みたいなのはあると思うが。

そして自らが実験体となったアンナは、失敗を繰り返し試行錯誤を続ける。
大きな失望を何度も体験し、経験へと繋げていく。
汗と涙を流しながら、ひたむきに。

滅び行く人類に変わる新人類に人間的なものを受け継がせる必要があるのかという問いは映画の中でも見られるが、やはり人間は人間を愛しているのではないだろうか。
愚かで非合理的な部分も含めた、いわゆる「人間的な部分」込みで。
映画を愛する心というものも、そういうところに宿るのだと思っている。


また”母性”もそうだが、『約束』って人間的だなと思う。
どれぐらいの熱量で約束し、どれぐらいの熱量でその約束に縛られ生きるか。
個別の約束によって違うのは当然だが、それぞれの個人が自分にとって重みのある約束を抱えて生きるという事実は、人間的なものだと思う。
この映画から、そういう部分も強く感じた。

水の中から生まれた生命が、大洪水によって全て(物理的なもの以外も含め)洗い流される。
そして新たな生命の世界への変革が、人工の水の中から生まれようとする。
世界の終わりと、はじまりを描いた映画。
今回もまた、生命は水の中から生まれる。

僕はまだ人生一回目なので、失敗ばかり。

人間は一度だけの人生を生きて終わる。
少なくとも僕はそう考えている。
なので多くの失敗をし、それは取り返しのつかないこともある。
やり直しはきかない。
成長にも限界はある。
新人類は人類以上の完成度だろう。
そんな人たちが作る世界はどんなんだろうか?
見てみたい。
でも人間性を受け継いでいるから、愚かな失敗をまた行うのだろうな。

問いかけのある映画が好きだ。
自分が主観的に作品に関われるから。
『大洪水』大好きな映画です!!

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