日本人アーティストの中で僕が最も愛してやまないのがサザンオールスターズ。
彼らは今年の6月25日でデビュー45周年となる。
最近はサザンでの活動はこういう節目の時に行われることが多く、今年も僕だけでなく多くのファンが新曲リリースやライヴ開催の期待に胸を膨らませていた。
そして昨日桑田佳祐のラジオ番組で、茅ヶ崎での4DAYSライヴ開催と3ヶ月連続の新曲リリースが発表された。
今日はYouTubeで
サザンオールスターズ45周年!! 感謝の“45曲”ライブ配信特番「それ、何年? そうねだいたいね」on YouTube
というサザンのライヴ45曲を見せる番組が配信された。
見だしたら止まらなくなってしまったよね、やっぱり。
というわけで、今回はそんなサザンが最も音楽的に尖がっていた時期に、
その持ち前のポップフィーリングを融合させて大爆発させた傑作アルバム
『人気者で行こう』を紹介したい。
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これは1984年の夏に発売された、サザンにとって7枚目となるオリジナルアルバム。
この翌年に『KAMAKURA』という2枚組アルバムが発売され、
そちらも傑作で、この『人気者で行こう』と人気を二分している。
が、サザンの最高傑作は?
という問いには『KAMAKURA』を挙げる人の方が多いようである。
僕は正直この2作のどちらかだと思うが、選びきれない。
どちらも捨てがたい。
だがどちらの方を聴く回数が多いか、と聞かれたら『人気者で行こう』だと答える。
弾けてる感がこっちの方があり、よりアッパーな心地よさが感じられるから、というのが理由。
ではアルバムの内容に触れていきたい。
この作品がそれまでのものと大きく違うところは、デジタルというものが前面に押し出されているところ。
デジタルといっても、今のようなエレクトロとかクラブミュージック的とか
いう意味ではなく、シンセサイザーなどのデジタル機器を大幅に導入したということである(YMOとの活動で有名なマニュピレーター藤井丈司も参加)。
また、これまで以上に、リズムにこだわりだした点も特徴として挙げられる。
それまでのサザンのリズムというのは、桑田佳祐のヴォーカルスタイルやメロディそのものが牽引していると言えたが、今作ではサウンド面でのリズムへのこだわりが感じられた。
これらのことから、当時僕はアルバムを買って最初に聴いたとき、それまでとの違いに少し違和感を感じた。
アルバムオープニング曲は「JAPANEGGAE」。
ジャパンとレゲエを足した造語なのだが、レゲエぽさというのは特に感じない。
琴のような音色のシンセで始まるイントロ、やや遅めだが小刻みに強調されるリズム、そこに絡むサックス。
怪しげな心地よさがクセになる曲。
明らかに、新たなサザンオールスターズを感じさせるオープニング曲だった。
僕は、最初聴いた時にその心地よさには気付なかったのだが、まぁ10代なので仕方なかったかなと。
でも多分2回目くらいからは、その魅力に気付き始めていたと思う。
アルバムリリース後に行われた、今はなき大阪球場でのライヴに行った。
オープニング、琴のような音のシンセフレーズのイントロに乗り、般若の面をかぶった桑田佳祐が出てきて歌ったこの曲に震えたのを覚えている。
この調子で全曲聴きどころを、話していきたいところだが、如何せん文章を書く持久力がない。。
サザンオールスターズの、桑田佳祐の凄いところは、メロディの美しさ以外は明らかに変態音楽なのに、それを大衆音楽の極みのように感じさせるほど日本中の人々を洗脳したことにあると思う。
初めてテレビで「勝手にシンドバッド」を歌うサザンを観た時、多くの人が彼らをコミックバンドだと思ったはず。
彼らの音楽は間違いなく異端だったし、それは今も変わらない。
その証拠にサザンみたいなアーティストは他にいない。
真似できないのだ。
だが今や普通の顔して、みんなの日常に存在している。
普通じゃないのに、普通だと思えるまでにしてしまった。
これを”革命”と言うのだと思う。
そして今や彼らは日本のキング・オブ・ポップ。
そんな日本のキング・オブ・ポップが最も音楽的に尖がっていた時期の傑作アルバム『人気者で行こう』、もし若い方などまだ聴いたことがないのであれば、是非お試しいただきたい!
サザンが最も音楽的に尖がっていた時期の傑作極上ポップミュージックです!!