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傑作音楽映画『セッション』 監督:デイミアン・チャゼル

映画

僕にとって、新作が楽しみでたまらないという監督は、海外だとデヴィッド・フィンチャーにクリント・イーストウッド、そしてデイミアン・チャゼルである。
先頃最新作『バビロン』が公開され話題となった。

『セッション』『ラ・ラ・ランド』と音楽映画の名作を生み出した後、それら2作とはすっかり趣向の違う、
アポロ11号で人類史上初めて月に降り立ったニール・アームストロング船長の内面に迫った映画『ファースト・マン』(主演:ライアン・ゴズリング)には驚いた。
天才か、この人は!?
とても素晴らしい映画だった。
この監督の作品を追いかけていきたいと思った。

サイレントからトーキーへと変化する映画界を描いた最新作『バビロン』は、『雨に唄えば』をある意味下敷きにした映画愛あふれる作品だった。
『セッション』『ラ・ラ・ランド』同様に音楽を有効に使った作品でもあった。

音楽が素敵な映画は、それだけで好きになってしまう。

今回はもちろんそれだけでない、デイミアン・チャゼルの最初のヒット作『セッション』について書いてみたい。

主人公は、ドラマーを目指し音楽学校に通うアンドリュー(マイズル・テラー)。
ある日学内の著名な指導者フレッチャー(J・K・シモンズ)は、アンドリューを見て、自分が指導するクラスのバンドに彼を誘う。
フレッチャーの指導スタイルは超スパルタ。
罵詈雑言、人格否定など当たり前というやり方。
アンドリューもコテンパンにやられる。

師弟の話ではあるが、師弟愛の話ではない。
最後の演奏シーンが物語るように、音楽が全てという話。
つまり音楽愛の話。
それも偏狭的な。
僕はこの映画を観て、宮崎駿の作品『風立ちぬ』を少しイメージした。
あれは、美しさが全てという話だったと僕は思っている。

最後の演奏シーンでのふたりについては、音楽が大好きな人なら共感せずにはいられないと思う。
音楽をこよなく愛する僕もそのひとり。
音楽を指導するスタイルとしては、間違ってると思うが、あの演奏シーンのふたりに共鳴した。
音楽愛に満ちた、最高に素敵な映画だと思う。

第87回アカデミー賞では助演男優賞(J・K・シモンズ)等3部門受賞。
J・K・シモンズのは、この映画に欠かせないドハマりの演技を見せてくれる。
すごい迫力だった!

主演のマイルズ・テラーは『トップガン マーヴェリック』での大活躍も記憶に新しい。

デイミアン・チャゼルが書いた本作の脚本は、製作前の脚本をハリウッドのスタジオ重役らの人気投票でランキングする「ブラックリスト」にランクインし、注目されていた。
そこで彼は、この脚本の一部に基づく短編映画を作成し、サンダンス映画祭のアメリカ短編映画審査員賞を受賞する。
そのことにより彼は、本作製作のための資金を得ることに成功。
そうして長編映画としてこの作品は完成した。

ちなみにデイミアン・チャゼル自身も高校時代はジャズドラムをプレイし、ミュージシャンを夢見ていたという。


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ところで、
日本版の予告編に、
”ラスト9分19秒ー 映画史が塗り替えられる”
というキャッチコピーがあるが、こういうの嫌いだ。
余計だと思う。
確かに最大の見どころなんだけど、その最大の見どころを安っぽく感じさせてしまうのだよこういうコピーは!!
と僕は思う。

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